手廻しロースターとの出会い






手廻しロースターとの出会い
「それもう聞いた!」っちゅー人はパスしての 歳とると おんなしこと何回でも話しよるけ

表参道の交差点に立って 太陽の日差しを日傘で避けとるつもりが 下からの照り返しで「全然役に立っとらんやん」なんて思いながら信号待ちのご婦人たちの様子を眺めちょった 暑ーい暑い8月の昼間のことじゃった 
あるいは 銀座線表参道駅上り階段を 地上から吹き込む師走の冷たい風や すれ違う老若男女の服にまとわりついた冷気を感じて 毛玉の付いたカシミアのマフラーを巻き直し表参道の交差点に出る 寒ーい寒い12月の昼間のことじゃった
つまり 時期はいつか全く覚えとらんちゅうことや

低層ビルの2階 古い木の扉を押し開けると 手造り感たっぷりな筒状のポンポン菓子機?のようなものからモクモク噴き出す白い煙 シャラシャラと心地良いリズムにのって パチッ パチパチッ 豆のはぜる音 
店主さんはロースターを一定の速さで廻しながら 顔だけこちらを向けて
「いらっしゃいませ」

今まで巡ってきた珈琲屋さんとはあきらかに何かが 違う
促されるまま 店主さんの真ん前にかみさんと座り しばらく焙煎の様子を眺めることになる こねいなおもちゃのようなもので焙煎が出来るんじゃろーか。。
この時が わしと手廻しロースターの初めての出会い じゃったのよ

このあと 椅子からずり落ちるような驚きのネルドリップがわしらを待っているのじゃけど それはまたいつか


2016/10/19 18:26









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